入力支援コントロールの「InputMan」が最初にWPF版をリリースしたのは2011年4月でした。
アップデートを繰り返してきましたが、ついにメジャーバージョンアップしました。
基本機能はそのままで、最新開発環境に対応したバージョンです。
郵便番号から住所情報を取得
今回から「住所」に関する入力を支援するコンポーネント「JPAddress(JPアドレス)」を追加します。JPAddressは、これまで単体で提供していたコンポーネントでしたが、入力支援コントロールと一緒に提供して利便性を向上させました。
JPAddressの機能をASP.NET Web Formsで実装したデモ用のアプリケーションがあります。
住所情報の取得機能はWPFではカスタマイズが必要ですが、ASP.NET版にはInputManとJPAddressを連携した郵便番号コントロール(GcPostal)を利用できます。インストール不要ですぐにお試しいただける気軽さもあるので、ここではWebアプリケーションで紹介します。
郵便番号データの提供
InputManで最新の郵便番号情報を利用するには、別途、JPAddresのデータ更新サービスをお申込みいただく必要があります。サービスを利用すると、日本郵便のデータ更新にあわせて、最新の辞書ファイルを提供します。
※「JPAddress 辞書更新サービス」は2021年5月末日を持ちまして新規/継続のご利用お申込みを終了しました。また、同時に公開された「JPAddress辞書ファイル作成ツール」を利用することで無償にて最新の辞書データを作成することが可能です。詳細はこちらをご確認ください。
日本郵便から発表された更新情報によると、2018年1月の更新で東京都新宿区の郵便番号[160-0003]について住所表記が変わったようです。
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
郵便番号 | 160-0003 | 160-0003 |
住所表記 | 東京都新宿区 本塩町 |
東京都新宿区 四谷本塩町 |
これをIMEの機能で変換した結果がこちらの図です。
現時点で変更前の住所表示である「本塩町」になっています。
これをInputManのデモで実行してみましょう。
変更後の住所表示「四谷本塩町」になったことが確認できました。
また、郵便番号から取得できる住所情報の種類もあわせてご覧いただけます。
社内の担当者に依頼してデモ用のデータを最新版に更新したというカラクリはありますが、最新の郵便データを利用できる機能については説明できたと思います。
困難に立ち向かう
さて、そのデータ更新作業。
複雑で大変であることは容易に想像がつくと思いますが、実際はその想像をはるかに超えます。
長い間その複雑なデータに向き合い、提供しつづけている製品が、アドバンスソフトウェア株式会社の「Yubin7(ユウビンセブン)」です。
InputManのJPAddressと同様の機能をもつ製品ですが、こちらは .NET FrameworkだけでなくJava対応版もあります。そのためLinuxでの利用が可能になり、サーバー利用による業務アプリケーションの幅が広がります。
製品の説明はできませんが、郵便番号データ更新の背景やその対応を行うYubin7の工夫を知ることができる記事広告が公開されていましたので紹介します。詳細は「Publickey」をご覧ください。
おわりに
なぜ、新バージョンリリースの「InputMan」を差し置いてYubin7の紹介なのか?
その答えはシンプルで「尊敬」です。
ソフトウェア開発を支援するツールを提供する企業に籍を置くものとして、同業のプロフェッショナルの技には、感心、嫉妬、脅威そして尊敬などの感情がうまれます。
その気持ちを素直に表現したいと思いました。自分たちも、そのような存在になることを目指すためにも。
また、Yubin7の開発元であるアドバンスソフトウェア株式会社は本社が福井県福井市にあります。
連日報道されているように福井市周辺地域や日本海側各地では、記録的な豪雪で社会活動や日常生活に支障をきたしているようです。
被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧をお祈りいたします。