こんにちは!SPREADチームでWindows Formsを担当している大林です。
今回は、マルチヘッダ(複数行の列ヘッダ、および複数列の行ヘッダ)に関する新機能のご紹介です。
ExcelライクなSPREADですが、Excelにはない機能も提供しており、マルチヘッダもその一つです。
Excelに近い外観や操作性の一方、業務アプリケーションで必要とされる機能性もSPREADの魅力の一つですよね。
さて、マルチヘッダでは、セルを結合して、業務要件に基づいた複雑な見出しを設計できます。
しかし、ヘッダのクリックによる選択範囲が、これまで課題となることが少なくありませんでした。
以下、既定(Default)の選択範囲です。
※画像の赤丸がクリック位置
10.0Jでは、結合セルを含むヘッダの選択範囲を、既定以外に、次のオプションから設定できるようになりました。
ヘッダと交差するセルをすべて選択(Intersected):
Intersectedオプションを指定する具体的な要件などは、なかなかイメージしづらいかもしれません。しかし、選択範囲は、[Ctrl] + [C]キーによるコピーの対象範囲でもあります。
Intersectedオプションでは、コピーの対象となるデータは次のとおりです:
商品情報
コード 名称
分類コード 識別コード
AAA 1001 あいうえお
AAB 1002 かきくけこ
AAC 1003 さしすせそ
ABC 1023 たちつてと
ACC 1033 なにぬねの
BAC 2013 はひふへほ
※既定では、ヘッダテキストも含まれます。
クリップボードオプションを指定して、ヘッダテキストを除外することもできます。その場合、コピーの対象となるデータは次のとおりです:
AAA 1001 あいうえお
AAB 1002 かきくけこ
AAC 1003 さしすせそ
ABC 1023 たちつてと
ACC 1033 なにぬねの
BAC 2013 はひふへほ
ユーザーは、ヘッダセルの1クリック、そして[Ctrl] + [C]キーで3列分のデータを一気にコピーできます。業務要件によっては、このような操作が使い勝手を向上させることもあるかもしれませんね。
以上、けっして派手な新機能ではありませんが、お客様のアプリケーションの細やかな使い勝手の向上につながれば、私どもにとっては何よりの喜びです。
設定方法は、次のとおりです。
Visual Basic
' 結合セルの選択ポリシーを設定します FpSpread1.CellSpanSelectionPolicy = FarPoint.Win.Spread.CellSpanSelectionPolicy.Intersected ' クリップボードオプションを設定します FpSpread1.ClipboardOptions = FarPoint.Win.Spread.ClipboardOptions.NoHeaders
C#
// 結合セルの選択ポリシーを設定します fpSpread1.CellSpanSelectionPolicy = FarPoint.Win.Spread.CellSpanSelectionPolicy.Intersected; // クリップボードオプションを設定します fpSpread1.ClipboardOptions = FarPoint.Win.Spread.ClipboardOptions.NoHeaders;