2018年7月10日に開催した「Toolsの杜(ツールノモリ)」で、弥生株式会社(以下、弥生)の黒木 進矢 様、澤村 嘉孝 様にご講演いただきました。
こちらはセッションを受講したグレープシティ社員によるレポートです。
弥生株式会社の自動仕訳エンジンを支えるフロントエンド
~ 「ダサいは、バグだ!」を標榜してUXを徹底的に追求する ~
セッションは2部構成でした。前半部分では、登壇者の自己紹介の後、黒木様より、弥生株式会社(以下、弥生)の紹介、弥生の開発プロセスについて、後半ではWijmoの活用事例を澤村様が担当して発表いただきました。
人気アプリケーションのクラウド化で直面した危機的状況
以前の弥生では、作業が属人化し、ドキュメントも少ないため、製品の品質が安定しない危機的な状況にあったそうです。
そこからチームで、モノづくりについて一から見直し、
U字型プロセスを導入することで品質が確保された製品を作り出せるようになったとのこと。
しかし次は別の問い合わせが発生し、その多くが「使いづらい」等のUXに関することだった。
そのため弥生ではUXも大幅に見直しを行ったとのこと。
これら一連の経験から「要件通りに作りいくら障害がなくても、使いづらければお客さまにとって意味がない」
とUXの重要性を再認識し「ダサいは、バグだ!」を合言葉にするようになったとのことでした。
これは、多くの企業で直面している問題であり、品質を確保するところまでは改善できても、なかなかUXを重要視することは難しいと思います。
それを、「ダサいは、バグだ!」と掲げられていることが多くのユーザーに支持される要因だと感じました。
コントロールをラップして活用
セッション後半は、Wijmoコントロールの使用方法についてです。
従来の製品はデスクトップアプリだったため、それとは異なるプラットフォームで動作するクラウドのWebアプリ開発にあたって、チーム開発のしやすさ、見た目の統一性などの観点でコントロールの採用を推進しました。
UXを実現するためには、もとのWijmoコントロールの機能だけでは不足する場合があります。そこで弥生では、Wijmoコントロールをそのまま使用するのではなく、拡張して使用しています。
Wijmoコントロールを拡張して、既定値の設定、不要なプロパティの隠蔽、必要なプロパティの追加を行うことは、チーム開発において各画面間でクオリティを統一し、開発者が迷わず実装を進められるようにするための工夫です。
また、コントロールに存在しない機能を追加したり、複数のコントロールを使用して、新しいコントロールを作成したりと、コントロールをカスタマイズして使用しています。
こういった工夫を凝らすことで、開発者の負担を減らすだけでなく、不要なミスを予防し、さらに見た目の統一感を出しています。
Wijmoコントロールが現場で活用されている実例を聞くことができ、感慨深い内容でした。
まとめ
最後は「今後クラウドアプリとデスクトップアプリの融合がますます進み、Webのフロントエンドの技術がDesktopで使われる場面が増え、Webのフロントエンドの技術者の重要性が増していくでしょう。」という言葉で締めくくっていただきました。
グレープシティでは、これからもWebのフロントエンドの技術者をサポートできるよう、努めていきます。
また、弥生が月1~2回のペースで開催している勉強会「もくテク」の紹介がありました。興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
セッション資料
Wijmoを採用した開発事例については、こちらに詳しく掲載しています。
弥生株式会社 – 導入事例 | Developer Tools – グレープシティ株式会社
コンポーネントの選定に関する裏事情、具体的な活用ノウハウまで踏み込んだインタビュー記事です。