.NET帳票コンポーネント「ActiveReports for .NET(アクティブレポート)」の使い方を解説する、「これからはじめるActiveReports帳票」。第3回目はNuGetを利用した帳票プロジェクトの作成方法について解説していきます。
開発環境
ActiveReports for .NETの開発環境にはOSに「Windows」、統合開発環境(IDE)に「Visual Studio」が必要となります。事前に、ActiveReportsの必要システムに記載されている、開発環境をご準備ください。
今回の開発環境では、以下を使用します。
- OS:Windows 11(23H2)
- IDE:Visual Studio 2022(Version 17.9.5)
- ActiveReports:18.0J (v18.0.0.0)
製品版の最新バージョンは以下より入手可能です。
トライアル版は無料で以下より入手可能です。
WPFプロジェクトの作成
それでは、プロジェクトの作成を行っていきます。今回は第1回目でご紹介したActiveReportsのプロジェクトテンプレートは使用せず、以下のようにVisual Studio標準のプロジェクトテンプレートを利用します。
検索ボックスに「WPF」と入力すると、「WPFアプリケーション」がフィルタリングされますので、こちらを選択して[次へ]を押します。
続いて表示されるダイアログでは、プロジェクト名を「WpfReportsApp」とします。保存場所は任意の場所を設定してください。
最後はフレームワークの選択ダイアログとなります。今回は「.NET 8.0」で作成していきます。
NuGetからActiveReportsパッケージをインストール
プロジェクトが作成されると次のようなデザイナ画面が表示されますが、まずはActiveReportの関連パッケージをNuGetからインストールしていきます。
図のように、ソリューションエクスプローラー上からプロジェクトを右クリックし「NuGetパッケージの管理」を選択します。
続いて、NuGetパッケージマネージャーの表示後、「参照」タブを選択、検索テキストボックスに「MESCIUS.ActiveReports.ja」を入力します。検索結果には次のように「MESCIUS.ActiveReports.ja」が表示されるので、選択し、インストールを行います。
続いて、検索テキストボックスに「MESCIUS.ActiveReports.Viewer.Wpf.ja」を入力します。検索結果に表示された「MESCIUS.ActiveReports.Viewer.Wpf.ja」選択し、インストールを行います。
インストールが完了すると、次のようにプロジェクトのパッケージとして追加されます。
WPF Viewerの配置
必要なパッケージのインストールが完了したので、アプリケーションの実装を行っていきます。まずは、「MainWindow.Xaml」のデザイナ画面を表示します。続いて左側のツールボックス上に追加された、ActiveReportsの「WPF Viewer」をデザイナ画面上へ配置しサイズを調整します。
追加した「WPF Viewer」には名前のプロパティに「ReportViewer」と設定します。
帳票デザイン
続いて、帳票デザインを行っていきます。次の画像のようにソリューションエクスプローラーからプロジェクトを右クリックし「追加」、「新しい項目」を選択します。
「新しい項目の追加」ダイアログの表示後、左側のツリーより「Reporting」を選択します。追加可能なファイル一覧より「ActiveReports 18.0J レポート」を選択しプロジェクトへ追加します。
ファイルを追加すると、次のようにActiveReportsの帳票形式選択ダイアログが表示されます。今回はこの中から「ページレポート」を選択して[作成]ボタンを押します。
作成完了後、次のように帳票デザイナ画面が表示されます。左側のツールボックスより「TextBox」コントロールをデザイナ画面へ配置し、次のプロパティ値を設定します。
- Value:「ActiveReports Wpf App」
- FontSize:「36pt」
帳票デザインが完了しましたので、レポートファイルを保存後、以下のようにレポートファイルを選択し、出力ディレクトリのプロパティを「常にコピーする」に設定します。
イベント実装
最後にコードの実装を行っていきます。「MainWindow.xaml.cs」のコードを表示し、次のように強調表示した、コードを追加します。
追加したコードでは、MainWindowのロードイベントを追加しています。また、イベント内でレポートビューワがレポートファイルを読み込み、表示を行う処理も実装しています。
using System.Windows.Input;
using System.Windows.Media;
using System.Windows.Media.Imaging;
using System.Windows.Navigation;
using System.Windows.Shapes;
namespace WpfReportsApp
{
/// <summary>
/// Interaction logic for MainWindow.xaml
/// </summary>
public partial class MainWindow : Window
{
public MainWindow()
{
InitializeComponent();
}
private void Window_Loaded(object sender, RoutedEventArgs e)
{
ReportViewer.LoadDocument(@"Report1.rdlx");
}
}
}
追加したイベントがMainWindowのイベントとして動作するように、強調表示した箇所を「MainWindow.xaml」に追加します。
<Window
xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
xmlns:local="clr-namespace:WpfReportsApp"
xmlns:Wpf="clr-namespace:GrapeCity.ActiveReports.Viewer.Wpf;assembly=MESCIUS.ActiveReports.Viewer.Wpf" x:Class="WpfReportsApp.MainWindow"
mc:Ignorable="d"
Loaded="Window_Loaded"
Title="MainWindow" Height="450" Width="800">
<Grid>
<Wpf:Viewer x:Name="ReportViewer" HorizontalAlignment="Left" Margin="10,10,0,0" VerticalAlignment="Top" Height="402" Width="780" Grid.ColumnSpan="2"/>
</Grid>
</Window>
動作確認
パッケージのインストール、帳票デザイン、コード実装が全て終わりましたので、最後に動作確認をおこなってみます。以下の動画のようにVisual Studioからデバック実行行います。
WPFアプリのViewer上に作成したレポートが表示されました。
NuGetからActiveReportsパッケージをインストールし、Viewerの配置と帳票デザインの作成を行うだけで、新規アプリケーションだけでなく、既存のアプリケーションにも簡単に帳票機能を追加することが可能です。
さいごに
「これからはじめるActiveReports帳票」第3回目は、帳票プロジェクト作成編(3)として、NuGetからActiveReportsをインストールして利用する方法について、ご紹介しました。今回の内容について動作を確認されたい方は、是非トライアル版ダウンロードの上、お試しください。
製品の機能を手軽に体験できるデモアプリケーションも公開しておりますので、こちらもご確認ください。
また、ご導入前の製品に関するご相談、ご導入後の各種サービスに関するご質問など、お気軽にお問合せください。