JavaScriptフレームワーク「Angular」でWijmoを使う【2025年版】

Angularは、TypeScriptをベースとしたオープンソースのフロントエンドフレームワークです。宣言的なUI構築、データバインディング、ルーティング、状態管理など、Webアプリケーション開発に必要なあらゆる機能を提供するフルスタックなフレームワークで、特に大規模で複雑なエンタープライズアプリケーションに最適です。

Angularではフレームワークの機能拡張だけでなく、開発効率の向上にも力を入れて取り組んでいます。コマンドラインツールのAngular CLIを使用することで、非常に簡単にAngularアプリケーションを作成することが可能です。

JavaScript UIライブラリ「Wijmo(ウィジモ)」はAngularをサポートしており、Angularの標準的な方法でグリッド、チャート、入力などのエンタープライズ向けの高機能なUIコンポーネントを利用することができます。

本記事では、Angular CLIとWijmoを使用してグリッドでデータ表示を行うAngularアプリケーションを、Angular 15で導入され、Angular 19でデフォルトのコンポーネントとして使用されるようになった、スタンドアロンコンポーネントの形式で作成する方法を紹介します。

開発環境

  • Wijmo(Version 5.20251.34)
  • Node.js(Version 22.16.0)
  • Angular(Version 19.2.0)

Angularアプリケーションを作成する

npm installコマンドを実行して、Angular CLIパッケージをグローバルにインストールします。インストール済みの場合は不要です。

npm install -g @angular/cli

上記のコマンドを実行することでAngularの最新版がインストールされますが、以下のように「@」の後ろにバージョンを指定することで特定のバージョンをインストールすることもできます。

npm install -g @angular/cli@19.x.x

なお、使用するWijmoのバージョンに応じてサポートされるAngularのバージョンは異なります。詳しくは以下のページをご覧ください。
※ 2025年6月時点の最新はAngular 20ですが、本記事ではWijmo 2025J v1がサポートするAngular 19を使用します。

インストールが完了したら、以下のコマンドでAngular CLIのバージョン等を確認できます。

ng version
Angularのバージョンの確認

ng newコマンドを実行して、Angularアプリケーションを作成します。

ng new wijmo-angular-quickstart

使用するスタイルシートの種類と、SSRとSSGを有効化するか聞かれるので、「CSS」を選択し、SSRとSSGは「No」を選択します。
※ WijmoはCSR(クライアントサイドレンダリング)のみサポートします。

スタイルシートとSSRの設定

アプリケーションプロジェクトのフォルダに移動して、npm startコマンドを実行すると、開発サーバー上でアプリケーションが実行されます。ブラウザで「http://localhost:4200/」にアクセスすると、以下の画面が表示されます。

cd wijmo-angular-quickstart
npm start
Angularアプリケーションの起動

開発サーバーの起動を確認したらCtrl+Cキーを押して終了しておきます。

Wijmoのパッケージをインストールする

npm installコマンドを実行して、Wijmoのパッケージをアプリケーションにインストールします。

npm install @mescius/wijmo.angular2.all

上記のコマンドを実行することでWijmoの最新版がインストールされますが、以下のように「@」の後ろに製品バージョンを指定することで特定のバージョンをインストールすることもできます。

npm install @mescius/wijmo.angular2.all@5.20251.34

「src\styles.css」にWijmoのスタイルをインポートします。

@import '@mescius/wijmo.styles/wijmo.css';

「src\app\app.component.ts」にFlexGridを含む必要なモジュールとカルチャーをインポートします。

import { Component, ViewChild } from '@angular/core';
import { RouterOutlet } from '@angular/router';
import { WjGridModule, WjFlexGrid } from '@mescius/wijmo.angular2.grid';
import '@mescius/wijmo.cultures/wijmo.culture.ja';

@Component({
  selector: 'app-root',
  standalone: true,
  imports: [RouterOutlet, WjGridModule],
  templateUrl: './app.component.html',
  styleUrl: './app.component.css'
})
export class AppComponent {
  data: any[];
  @ViewChild('flex') flex!: WjFlexGrid;
  constructor() {
    this.data = [
      { id: 15, product: 'ピュアデミグラスソース', date: '2025/01/10', amount: 6000 },
      { id: 17, product: 'だしこんぶ', date: '2025/01/08', amount: 14500 },
      { id: 18, product: 'ピリカラタバスコ', date: '2025/01/12', amount: 4000 },
      { id: 84, product: 'なまわさび', date: '2025/01/21', amount: 8000 }
    ];
  }
  init = () => {
    console.log(this.flex);
  }
}

「src\app\app.component.html」を以下のように書き換え、「wj-flex-grid」要素を追加します。

<wj-flex-grid #flex [itemsSource]="data" class="grid" (initialized)="init()">
  <wj-flex-grid-column header="商品名" binding="product" [width]="200"></wj-flex-grid-column>
  <wj-flex-grid-column header="受注日" binding="date" [width]="120"></wj-flex-grid-column>
  <wj-flex-grid-column header="金額" binding="amount" [width]="100" format="c"></wj-flex-grid-column>
</wj-flex-grid>

「src\app\app.component.css」にFlexGridに適用するスタイルを定義します。

.grid {
  width: 470px;
  height: 200px;
}

以上の手順で、クイックスタートアプリケーションの作成は完了です。

npm startコマンドを実行して「http://localhost:4200」にアクセスすると、AngularアプリケーションにWijmoのFlexGridコンポーネントが表示されていることを確認できます。

AngularアプリケーションにWijmoの組み込み

さいごに

以上がAngularを使用してWijmoのデータグリッド「FlexGrid」でデータ表示を行うWebアプリケーションを作成する方法でした。

製品サイトでは、Wijmoの機能を手軽に体験できるデモアプリケーションやトライアル版も公開しておりますので、こちらもご確認ください。

また、ご導入前の製品に関するご相談、ご導入後の各種サービスに関するご質問など、お気軽にお問合せください。

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