Excelではセルの値を変更すると、そのセルの値を参照している計算式が自動的に実行されてセルの値が自動的に更新されます。
例えば、A5のセルに「=SUM(A1:A4)」という数式が設定されている場合、A1~A4それぞれのセルの値を参照してA5に合計値が表示されます。参照しているセルの値を変更した際には、自動的に再計算が実行されます。
Excelの計算方法には、自動計算のほかに手動計算があります。手動計算を設定するには、[数式]タブの[計算方法]グループにある[計算方法の設定]で「手動」を選択します。
手動計算では、計算式で参照しているセルの値が変更された際に自動的に計算が実行されません。
手動計算は、[数式]タブの[計算方法]グループにある[再計算実行]で実行できます。
任意のタイミングで再計算を手動で実行する必要がありますが、ワークブックを開いた際に自動で計算が実行されないため、セルの値を変更する前と変更した後の計算結果を比較しやすいのが特長です。
DioDocs for Excelで計算方法を設定する
DioDocs for Excel(ディオドック)では、CalculationMode
プロパティを使用してワークシートが開かれる際の数式の計算モードを設定できます。
using GrapeCity.Documents.Excel;
// 新規ワークブックの作成
Workbook workbook = new();
IWorksheet worksheet = workbook.Worksheets[0];
object[,] data = new object[,]{
{"科目", "得点"},
{"国語", 98},
{"数学", 86},
{"英語", 73},
{"理科", 90},
{"社会", 81}
};
worksheet.Range["A1:B6"].Value = data;
worksheet.Range["B7"].Formula = "=SUM(B2:B6)";
// 計算モードをManualに設定
workbook.Options.Formulas.CalculationMode = CalculationMode.Manual;
// Excelファイルに保存
workbook.Save("CalculationOptions.xlsx");
保存したワークブックでは手動計算が設定されていて、「B7」に設定した計算式がワークブックを開いた際に実行されていない状態になっています。
CalculationMode
プロパティでは、Excelと同じように「自動」、「手動」、「一部」3種類の計算方法を設定することが可能です。
- CalculationMode.Automatic:自動
- CalculationMode.Manual:手動
- CalculationMode.Semiautomatic:一部(テーブルとPython数式)を除いて自動
ワークブックに含まれるデータが大量かつ計算式で参照されている場合には、ワークブックを開く際に自動計算が実行されると表示するまでの応答に時間がかかる場合があります。このような状況を避けるために、ワークブックを開いてから手動計算を利用して計算を実行する方法を検討したいケースで活用できます。
今回紹介した機能については以下のデモで動作を確認いただけます。
DioDocsの最新バージョン「V7J SP1」の新機能については、以下のページで紹介していますのでこちらも是非ご覧ください。
さいごに
弊社Webサイトでは、製品の機能を気軽に試せるデモアプリケーションやトライアル版も公開していますので、こちらもご確認いただければと思います。
また、ご導入前の製品に関するご相談やご導入後の各種サービスに関するご質問など、お気軽にお問合せください。